冬の欠かせない室内アイテムといえば、暖房機器ですね。
そろそろ出番の季節がやってきました。
リビングは家族団らんの場なので、長い時間を暖かくして過ごしたいところ。
既存の家だと、圧倒的にエアコンのご家庭が多いのではないでしょうか。
しかし近年は暖房機器の中でも床暖房が注目を集めており、エアコンから切り替える人も増えているんです。


簡単にリフォームできる方法もあるんだ。


でも、色々と種類や注意点もあるんだ。
順を追って説明するから、我が家に合う床暖房を一緒に見つけよう!
■目次
床暖房の種類はどれがいい?

一概に”床暖房”と言っても、大きく分けて2種類があります。
①電気式
②温水式


電気式床暖房とは

引用:パナソニック電気式床暖房
床下に電熱パネル(電気ヒーター)を設置し、床面を直接暖める方法です。
電熱パネルを床下に敷くだけなので、温水式に比べて初期費用が安く済みます。
メンテナンスもほとんど必要ありません。
しかし、スイッチを押してから部屋が十分に暖まるまで時間がかかり、その分ランニングコストはかかります。
温度ムラが生じやすく、リビング全面を均一に暖めるのは難しいかもしれません。
また、長時間床に接していると低温火傷の恐れがあるので、赤ちゃんやペットには心配な要素ですね。
しかし、リフォーム等の後付けをするなら、施工が簡単な電気式が選ばれる事が多いです。業者さんも一番におススメしてくるのは電気式かと思います。
リビング全面積を施工するよりも、一部分(ソファの前や、キッチン側のみ等)を施工するのに適しています。
温水式床暖房とは

床下に温水を流して床面を暖める方法です。
ガスor電気で温めたお湯を利用するので、他のどの暖房機器よりも柔らかい暖かさを実感できます。
温水を循環させるので、電気式に比べてランニングコストを抑えられますが、熱源機(温水暖房器)が必要になるので、その分初期費用が高くなります。
立ち上がりが早く、床面をすぐに暖めることができます。40度程度までしか暖まらないので、低温火傷の心配もありません。小さなお子様やペットのいるご家庭では安心ですね。
温度ムラが少なく、リビング全体を均一に暖めることができます。
但し、熱源機は10年、床下に取り付ける温水チューブは30年程度のサイクルでメンテナンスや交換を要するため、その分のコストもかかってしまいます。
電気式、温水式の比較表
電気式 | 温水式 | |
設置費用 | 〇低め | △高め |
ランニングコスト | △やや高め | 〇低め |
熱源 | 電気 | 電気、ガス |
立ち上がり | △遅め | 〇比較的早い |
温度ムラ | △ムラあり | 〇均一 |
メンテナンス | 〇必要ない | △熱源機のメンテナンス要 |
低温火傷 | △火傷の恐れあり | 〇心配ない |
また、熱源を電気に絞る場合は、オール電化にリフォームする方も多いです。
良ければ参考記事もあわせて読んでください。
気になる床暖房の初期費用は!?




でも、それだけじゃない。施工方法によっても、費用に違いが出てくるんだ。


施工方法も、大きく分けて2種類があります。
①重ね張り方法
②張り替え方法
重ね張り方法とは
文字通り、既存の床の上に、そのまま床暖房の床材を重ねる施工方法です。
元の床に手を加える必要がないので、撤去費用等がかからず、初期費用を安く抑えることができます。
但し、床の上にまた床を張るイメージなので、元の床よりも12~18mm程高く仕上がります。
床暖房を設置しない床との境目に段差ができてしまうので、躓きや転倒防止のための簡単な工事やDIYは必要になるかもしれません。
バリアフリー住宅なんかにはあまりおススメ出来ないですね。
施工日数は1~2日程です。
張り替え方法とは
一方こちらは、元の床材を一度剥がしてから、暖房ユニットを設置して、再度床材を敷く施工方法です。
解体・撤去費用だけでも10~15万程かかる場合があるので、重ね張りよりも費用は高くなります。
しかし、段差はできないので見た目が良く、機能性も高いというメリットがあります。
施工日数は3~4日程かかります。

でも実際には、どのくらいの費用がかかるものなのかしら?

「リビングに床暖房を設置するための初期費用」まとめ
概算費用 | 熱源機 | |
電気式 重ね張り | 5~7万/1畳辺り | 無し |
電気式 張り替え | 7~10万/1畳辺り | |
温水式 重ね張り | 6~8万/1畳辺り | 30~50万 |
温水式 重ね張り | 8~11万/1畳辺り |
1畳辺りの相場の費用です。
電気式は1畳UPごとに5万ずつ、温水式は3万ずつ高くなると想定して、自宅の施工したい畳数を確認してから計算して下さい。
温水式は、熱源機の取付に別途費用がかかるので、注意して下さいね。
例えば、5畳の床暖房器具を設置する場合…
・電気式の重ね張りは30万前後、張り替えは40万前後。
・温水式の重ね張りは60~90万前後、張り替えは80~100万前後
但し、お住まいのお宅によっては床暖の種類が限られたり、重ね張りが出来ない場合等もあるので、プロの判断とアドバイスは必ずもらいましょう!
リビングを床暖房にリフォームするメリット・デメリットは?

でも、やっぱり費用はかかるし、悩みどころねぇ。

じゃあ次は、床暖房を設置するメリット・デメリットについて説明しよう。

リビングを床暖房にするメリット
部屋全体をやさしく暖めてくれる
床暖房の仕組みとしては、
床から直接伝わる熱(伝導熱)
+
床から部屋全体に広がる熱(輻射熱) を利用しています。
エアコンのような空気の流れ(対流熱)で暖める暖房器具とは、そもそも暖め方が異なります。
そのため、エアコンでは空気が上手く対流しない場合、なかなか足元まで暖かくなりません。
一方床暖房は、足元から熱が伝わるので、下から上まで部屋全体をやさしく暖めてくれます。

引用:一条工務店
床暖房が選ばれる最大のメリットですね。
スリッパを履かず、裸足でもとにかく快適にすごせます!
ホコリがたたない、無音
空気の流れが発生しないので、もちろんホコリがたちませんし、アレルギー物質が拡散するのも防げます。
風が直接当たることもないので、小さなお子様や高齢者のいるご家庭なんかは安心ですね。
また、エアコンやストーブに比べて床暖房は騒音がしないので、静かに過ごすことができます。
リビングをスッキリ見せられる
ストーブ等の据置きの暖房機器を置かなくて良いので、部屋全体がスッキリとして見えます。
掃除が楽になえるのもメリットですね。


そしたら次は、デメリットについて説明するよ。
リビングを床暖房にするデメリット
初期費用が高い
導入にはやはりお金がかかります。
全項の「気になる床暖房の初期費用は!?」で学習したように、種類によって費用も異なるので、ご家族と相談しながら決めてくださいね。
ランニングコストがかかる
こちらも床暖房の種類によって異なります。
次の枠内は、あくまで10畳の場合のランニングコストの一例です。
エアコン 7~10畳 2,955円/月
温水式床暖房 10畳 3,900円/月
電気式床暖房 10畳 3,900~8,500円/月
温水式は、夜間の電気を使用する等、工夫によってエアコンより抑えられる場合もあります。
メンテナンスが大変
温水式床暖房に関しては、熱源機+床下に取り付ける温水チューブのメンテナンスや交換が必要なため、その分のコストもかかってしまいます。
修理ともなると床下に隠れているので大変ですね…。
電気式は、基本的にメンテナンスは必要ありません。
リビングを床暖房へリフォームする際の注意点


最後に、施工する際の注意点をいくつか挙げておこうかな。
床材は耐熱性のあるものを選びましょう
床暖房には、耐熱性があり、熱を伝えやすい床材が適しています。
一般的なフローリングは、熱に弱いものもあり、熱によって反ったり割れが発生する場合もあるので、「床暖房対応用」と表示されているものを使用して下さい。
床暖機器の工事面積はリビングの70%にしましょう
床暖房をリビングに設置する際は、床面積の70%程度に発熱体を設置するのが適切だとされています。
費用の削減のためにも、必要な部分に効率的に床暖房を敷くようにして心がけましょう。
断熱材対策を忘れずに
床暖房を設置して暖かくなっても、部屋の密閉が弱ければ熱を閉じ込めておけません。
床の断熱材の有無の確認は必ずしましょう。窓は2重窓がおススメですが、費用と相談しながら進めて下さい。断熱材対策はランニングコストを削減する上でも、とても大切です!
リフォーム業者は複数見積もりしましょう
床暖房のリフォームを依頼する際は、業者は慎重に選びましょう。
業者によって価格や提供しているリフォーム方法が異なるためです。但し、安ければ良いというわけではありませんので、注意が必要ですね。
リフォームのご相談を検討されている方は、こちらの記事も参考にして下さい。
「リビングを床暖房へリフォーム!足元の冷えとサヨナラしよう!」まとめ

- 床暖房の種類
電気式 or 温水式 の2種類。
価格重視なら電気式が安く、質を重視なら温水式が快適。 - 床暖房の費用
重ね張り方法 or 張り替え方法 の2種類。
リフォームでは”重ね張り方法”を選ぶ人が多い。
余裕があれば張り替え方法の方が、段差も無く安全。 - 床暖房のメリット・デメリット
メリット…足元から部屋全体を暖かくしてくれる、
ホコリがたたない、無音、部屋がスッキリ見える
デメリット…費用がかかる、メンテナンスが必要な場合がある - 床暖房を施工する際の注意点
床材の耐熱性、断熱材、施工範囲に注意
見積もり業者は複数選ぶ
冬も間近に迫っていますので、健康のためにもこうした対策は事前にしておきたいですね。
個人的には温水式床暖房のやさしい暖かさが魅力的ですが、費用も考えると悩みどころです。やはり、リフォームとなると施工が簡単な電気式の重ね張り方法が多い傾向にありますね。
それぞれの性能や費用、メリットデメリット等を総合的に考えて、より快適な住まいにリフォームしていきましょう!
そのためにも、今回の記事が少しでも参考になればと思います。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
我が家も替えたいけれど、床暖房のリフォームなんて大変そうよね…。