築年数は家の価値を決める計算の基準!古い家の売却につながる?!

転勤や引っ越し、相続などの事情で、長く住まれてきた家を売却する必要が出ることがあります。

そんなとき、絶対に必要になるのが築年数を調べることです。

築年数は家を売却するためにはとても大事な要素です。

 

なぜなら、家の築年数は建物としての評価額に大きく関わるからです。

また、売却した後に譲渡税額を算出するのにも大事な要素となります。

 

特に古い家を売るときには、いろいろ気になることが出てきます。

  • 建物評価額はいくらになるのか?
  • 売ってどのくらい手元に残る?
  • そもそもこんなに古い家は売れるのか?

 

古いとは言えど、大事に住んできた家には思い入れが深いこともありますよね。

ここで、住居を売却する方にとって大事なことがあります。

 

自分の家が市場ではどのくらい価値があるのか知っておくことです。

それを知っておけば不動産仲介業者や買い手に交渉する基準がわかります。

 

また、リフォームが住居の価値を上げるものだとしたら売却後の譲渡税の節税にもなる可能性があります

そしてそ築30年とも言われる古い物件でも、そんなリフォームをされているのなら売れないということはないのかもしれません。

 

築年数から建物の評価や譲渡税額の計算を通じて、古い物件を売却するために必要なことも考えていきましょう

 

築年数の計算は不動産売買の基礎

 

築年数を数えることで建物が建ってどのくらい経つか、どのくらいの新しさなのかがわかります。

しかしそれだけではなく、不動産売買における様々な計算の基本となるのものなので、しっかり築年数は知っておきましょう。

 

築年数の計算の仕方

築年数は、人の年齢と同じで、完成した日がきて1年、2年と数えます。

建築年から数えていってもいいです。

しかし〇年〇か月まで数えることが必要なので、てっ取り早く正確に調べたいならツールを使った方がいいですね。

 

 

 

 

建物が建築された年月日を入力して、表示をクリックすると築年数が表示されます。

 

引用:まっぷマップ

 

はるこ
これは便利ね!自分で計算してズレてたら嫌だわ(笑)

 

あつし
築年数は家を売るときの評価額や、税金の課税される金額を出したりするのに正確なものが必要になってくるからね。

 

築年数がどれだけ経つと古い物件なの?

そもそも、築年数はどこから計算されるかというと、建築確認申請を行政に提出し、発行された検査証に記載の日付が物件の正式な完成日となります。

なのでそこから現在まで何年何か月たったかといったところで築年数が決まります。

また、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、築年数を基準に物件の種類が決められています。

 

【新築物件】

建築後から1年以内の未入居である建物です。

1年以上過ぎれば、売れ残って誰も住んでいなくても新築とすることはできません。

また、1年以内であっても、入居者があれば新築ではなくなります。

 

この基準の元になるのは、「建物は時間が経つと価値がなくなっていく」という減価の考え方です。

この考え方は特に建物の評価額を計算する時に大切になります。

 

【築浅物件】

建築後1年以上で未入居の建物、または入居者がいたが、築年数が浅く、まだきれいな建物です。

築浅物件には、明確な定義がなく、不動産会社によってばらつきがあります。

築年数1年以内かつ未入居である定義を満たさないものは全て新築物件として売り出せません。

つまり中古物件となるわけです。

 

はるこ
え、たった半年で引っ越しちゃっても中古物件?

 

そういうことはありえます。

不動産会社などからすると新築からたった半年しか住まわれていない物件を中古物件としてしまうと、買い手を探すのが難しくなります。

 

あつし
そこで生まれたのが築浅物件という概念。築3~5年以内の物件が多いみたいだよ。

 

【築年数10年くらいの物件】

まだ比較的に築年数が浅い方で、住居の傷みが出てきますがリフォーム費用も抑えられます。

売却物件も多く、新しい住居を探す側にとっても築年数の条件の第1候補として考えられます。

 

新築で住んでいた家族にとって10年という年数はライフサイクルや環境の変化が生じやすく節目です。

これを機に売却を考える家族も多いでしょう。

また2000年の品確法で、築年数10年までは瑕疵担保責任がハウスメーカーや不動産会社に課せられています

したがって資産性が高く、売却する側、買い手側どちらにとっても成約率が高い物件層と言えます。

 

【築年数20年以上の物件】

いわゆる築古物件と言います。

戸建ての木造住宅に至っては法定耐用年数が22年とされているため、売却の際にも一般的には建物に価値がないとされる物件です。

 

あつし
でも、メリットもあるんだよ。

 

築30年以上ともなると、建てられた時期として高度成長期からバブル経済期にあたります。

戸建て・マンション関わらず乱立していった時代で選択肢は多いと言えます。

当時、新耐震基準には対応してはいるものの施工不良や法令の不備などがあって問題になる住宅が多くありました。

 

しかし、現在の国を挙げての住宅寿命の長期化の流れで、そういった住宅を見直されているものも多くなってきました

くわえて最近の古民家再生や中古物件を買い取ってのリノベーションブーム。

 

税の処理上のため法定耐用年数が設けられて、築古物件は価値がないとされます。

しかしそれは決して建物の寿命ではありません。

住んできた人がどれだけこまめにメンテナンスをしてきたか、どんな立地でどの方向に部屋が向いているか、間取り、広さによって価値は異なります。

 

裏を返せば建物の価値を判断するのは難しいということです。

売却のために評価額を複数の不動産会社に依頼しても全く違う査定額が返ってくることもあります。

ですので、現行の基準に合うような住宅性能をあげる大規模なリノベーションをしてきたかで売却の値段もあがる可能性はあります。

 

はるこ
なんで同じ建物や土地を評価してもらってるのに会社によって違うの?

 

あつし
それは建物の評価額の方法のところで説明するね。

 

築年数が経った家ー築古物件を売却するデメリット

 

耐震基準から見るデメリット

まずは耐震基準の移り変わりから見てみましょう。

 

引用:Berry’s Home

 

  • 旧耐震基準(建築確認申請が1981年5月31日以前のもの)

1950年の建築基準法制定で設けられた最初の耐震基準です。

築年数によってはこの耐震基準のままの建物もあり、すぐに耐震改修が必要な物件です。

  • 新耐震基準(建築確認申請が1981年6月1日以降のもの)

1978年(昭和53年)の宮城県沖地震の影響を受け、耐震基準が大きく見直されました。

住宅価値としては最低限この新耐震基準に適合していないと売買の対象になりません。

 

 

引用:SUUMO

 

阪神淡路大震災では亡くなった方々の90%が家屋の倒壊によるもので、被災した家の98%が旧耐震基準だったのです

逆に新耐震基準で建てられている家が倒壊したケースはなく、ひび割れや配管が壊れたにとどまったということです。

 

熊本地震でも同様に新耐震基準の家屋の倒壊が7.6%、旧耐震基準の家屋の倒壊は32%だったという調査結果が出ています。

 

  • 品確法による耐震基準(建築確認申請が2000年6月1日以降)

1995年(平成7年)の阪神淡路大震災を受け、木造住宅に対する耐震性の強化が行われました。

現行の基準としては最も厳しいものです。

 

引用:株式会社インテグラル

 

 

あつし
ただ、2016年の熊本地震では品確法の耐震等級2でも倒壊が重なったんだって。

今の震度7が頻発するような状況だと、耐震等級3の基準が必要ともいえるんだ。

 

 

品確法で規定されたのが木造住宅の構造体(柱・壁・梁・土台・基礎)における補強の部分です。

築古物件に限らず、1981年から2000年までの間に建築確認申請を出されている物件は安全とは言い切れないので要注意です。

 

 

注意

築年月が1983年3月と表示されていても、建築確認日が1981年5月31日の場合、旧耐震基準の建物になってしまいます。

築年月だけでなく建築申請確認日が1981年6月1日以降であるのか、必ず建築確認済証の日付を確認しましょう。

 

 

築40年以上の戸建ての耐震リフォームはどうしたら・・・?

気になる耐震性と費用!築40年耐震リフォームで地震を乗り切れるか?

2019年4月5日

 

買い手の心理から見たデメリット

買手は築年数を一つの基準として物件を探すので、築年数が浅い方が有利になります。またどの耐震基準をクリアしているかも分かるので、築年数は重要です。

 

そして、古い物件は、デザイナーズマンションなどの人気物件でない限り、高く売ったり、早く売ることはなかなか難しいと思っていた方がよいでしょう。

 

ただし、古い物件は立地はいいところも多いようです。

築年数が経っているということは早期に建てられているということです。

立地の選択は早い者勝ちなので、いい立地に安い築古物件があったりもします

 

また、次のようなメリットもあります。

築古物件のメリット
  • 買い手にとっては選択肢が非常に多く、売却値が安いというところ。
  • 1981年6月1日以降に建築確認申請を出している物件であれば、新耐震基準には対応していること。
  • 築古物件の場合リノベーション済みも多く、中には耐震基準・省エネ性など現行の住宅性能を上げている可能性もあること。

 

 

あつし
とはいえ、築年数が経っているということはやっぱり買い手側にもデメリットも多いよね。。

 

既存不適格建築物のデメリット
  • 市場価値が下がるので売却しにくい。
  • 住宅ローン審査に通りにくい。
  • 建て替えが難しい。

 

はるこ
あっくん、既存不適格建築物ってなあに?

 

あつし
旧耐震基準だったり、当時の建築基準法では合法だったけど、現行の建築基準法には不適合の建物だってことだよ。

1981年5月31日以前に建築確認申請が出されている建築物だね。

 

旧耐震基準・既存不適格建築物であるという時点で、まず市場価値はありません。

買い手側が「すぐ住める、あるいはすぐ貸し出せるような物件」を求めていた場合には真っ先に選択肢から外します。

 

あつし
戸建てに多い木造住宅にしても、マンションにしても資産としての価値が下がるのはとても速いんだ。

 

国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、木造戸建て住宅の資産価値は、築15年ほどまでは下落率が比較的大きく、築10年で半分ほどに下がってしまいます。築15年を過ぎた後は徐々にゆるやかになり、築20年以降はほぼ横ばいとなります。

一方、マンションは購入後1年で価値が急落するものの、資産価値が減少するペースは木造戸建て住宅に比べればゆるやかで、築10年で70~80%程度の価値を維持しています。しかし、築25年が経過する頃には、価値はおよそ半分になる傾向にあります。

引用:三菱UFJ不動産販売

引用:三菱UFJ不動産販売

 

このような物件を売買させるためには現行の耐震基準や住宅性能に合わせて改築が必要となります。

ところが、既存非適格建築物の場合、建ぺい率」や「容積率」が不適格である可能性があるのです。

しかも、旧耐震基準の建物は瑕疵保険の対象とはなりません。

 

そうなると、改築するより解体して更地にしてから引き渡してほしいと買い手は当然思います。

 

築年数の経った住居は買い手のニーズがないのでしょうか?

そうとも言えません。

 

耐震診断を行い、新耐震基準に適合すれば、築年数に関係なく、住宅ローンや瑕疵保険の対象となるのです。

そのためにはスケルトンリフォームのようなリノベーションを行い、根本的な住宅性能をあげていることが必要になります。

 

また、建物に市場価値がないということは住宅ローン審査にも影響します。

市場価値がないということは、この物件を買うための住宅ローン審査が通りにくいということになります。

 

しかし築古物件である場合、住宅ローンを組まなくてもよいくらいの売値も多く、そこを狙っている方は多いでしょう。

 

 

あつし
リノベーション済みの売却物件には、自分がよりよく住むために改築した場合と、売るために改築した場合があるんだ。

 

はるこ
確かに私が家を買うなら、古くても「リノベーション済」ってなっている物件は抵抗が少ないかもしれないわね。

 

あつし
しかもリノベーションをして長期優良住宅や国の基準に適合した物件を買った場合、買い手は不動産取得税額や固定資産税をある程度は控除されるんだよ。

 

 

家を大事に住んで、メンテナンスしたりリフォーム・リノベーションすることは住宅寿命の長期化につながります。

そのことが住宅売買の活性化にもつながっていくのでとても大事なことだと言えます。

 

 

補足

既存住宅売買瑕疵保険

物件に隠れた瑕疵(欠陥)が見つかった場合に、保健機関が売主の代わりに補修費用を負担してくれる保険です。

建ぺい率

敷地面積に対する建物面積(建坪)の割合のことです。防火と住環境の配慮から規定されています。

容積率

敷地面積に対する延べ床面積(建物の床面積の合計)のことです。道路などの機能の維持を図るために規定されています。

 

スケルトンリフォームってなんでしょう?

スケルトンリフォームのデメリット!後悔しないためのポイントは?

2018年12月6日

耐震リフォームの補助金制度についてはこちらをどうぞ。

耐震リフォームの助成金や減税ってあるの?国の補助制度を調査!

2019年3月14日

 

家の売却の時に築年数は不動産評価額の計算に必要!

 

築年数がどれだけ経っているのかは、年数とともに価値が減少していく建物の部分の評価に関わってきます。

売却時には建物と土地それぞれの査定額を不動産仲介業者に出してもらう必要があります。

査定額は売却金額ではないですし、査定額をもとに売却金額は売主が決めることができます。

 

しかし、物件の価値に見合わない売却金額を付けると買い手が集まりません。

家の売却時には、自分でも自分の家の建物部分・土地部分に対する評価を大体把握しておくことが大切です。

そうでないと、不動産仲介業者や買取希望者に値段交渉する基準がわからないですよね。

古いけれど丁寧に手入れした思い入れがある自分の家は高く売れるという考えはひいき目であることが多いです。

特に建物の築年数が経っているほど、実際に評価されるのは土地であることが多いです。

 

建物評価の場合、市場では実際どこに価値を置いているのかというとやはり築年数です

 

あつし
ここからはたっくさん計算がでてくるからね!母さん、しっかりついてきてね!

 

はるこ
ひいいぃぃぃぃぃいい・・・。

 

売却前は適切な売値設定が大事ー土地の評価の出し方

土地の評価には以下の4つがあります。

  1. 公示時価(公示価格)
  2. 相続税評価額(路線価)
  3. 固定資産評価額
  4. 時価(実勢価格)

 

土地は年数とともに価格が大きく変わることはないので減価償却は発生しません。

しかし、いろんな面からの評価額の出し方があります。その基準が公示価格です。

多角的に土地の評価額を知っておくほうが相場がつかみやすくなります。

 

1.公示時価

公示時価は国が地域ごとに定める1㎡あたりの価格で、土地鑑定委員会が1月1日の時点での土地の価格基準を決めています。

土地取引には様々な目的が絡み合っています。

ある人は土地を相続するから、ある人はマンションを建設して事業用として活用するから、ある人は転勤するので家屋ごと売りたいから・・・。

 

みんなが同じ目的で売買をしているわけではないのです。ですので、国として1つの基準としているのが公示価格です。

 

あつし
公示価格は国土交通省のシステムを使えば、個人で調べることができるよ。

 

 

あつし
鑑定人の鑑定評価書も見ることができるんだよ。

 

 

引用:国土交通省地価公示・都道府県地価調査 (2枚とも)

 

公示価格は更地として評価され、土地取引の指標となります。この指標が固定資産税・相続税、不動産鑑定や企業の資産としての評価の基本となっています。

 

はるこ
これが基本となってるってことなのね・・・ふむふむ。

 

2.路線価による土地評価額の算出

相続税や贈与税の基準となる相続路線価と、固定資産税、都市計画税、不動産所得税、登録免許税の基準となる固定資産税路線価とがあります。

通常は路線価という場合は相続税路線価を指します。

 

路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。

なお、路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」をご覧ください。

引用:国税庁

 

あつし
ま、要は道路に応じて価格が決まっていて、その道路に面する敷地の単価が決まるってことだね。

 

ですので、路線価の定める土地単価を面積分で計算すれば評価額が出ます。

  • 土地評価額=土地単価(時価)×面積

 

あつし
土地単価は、国税庁の財産評価基準書 路線価図・評価倍率表で確認することができるんだ。こんな感じだよ。

 

引用:税理士法人チェスター

 

赤いところは400Dという道路に面しています。Dは借地権割合の表記なのでここでは気にしないでいきます。

400は千円単位の表記なので40万円/㎡となります

 

路線価の場合公示価格の80%での評価ですので、公示価格に戻す必要があります。

  • 公示価格(単価)=路線価÷0.8

 

つまりこの場合、公示価格(単価)=40万円/㎡÷0.8=50万円/㎡となります。

ですので、土地が120㎡であれば、50万円/m×120㎡=6,000万円となります

 

はるこ
いまのところはついていけてるわ!

 

3.固定資産税評価額からの算出

「固定資産税納税通知書」に添付される「課税明細書」の「価格」「評価額」「固定資産税評価額」などの項目で土地の評価額が確認できます。

項目名は自治体により異なります。

 

引用:横浜財務局主税部

 

土地と建物の購入費がわからない、あるいは購入時の契約書に購入金額がトータルで書いてある場合があります。

購入費がわからないと、建物・土地それぞれの評価額や譲渡税に関する計算ができません。

もちろん他の方法で土地の評価額は出せますが、購入費をここで出しておく方が建物の評価額の判断基準が増えるのでできれば抑えておきましょう。

 

しかし固定資産税評価額をみれば土地と建物の評価額をそれぞれ計算することができるのです。

 

固定資産税の土地評価額は公示価格の70%で表示されていますのでこれも公示価格になおします。

  • 公示価格=固定資産税評価額÷0.7

 

そして評価額に対して占める割合で土地・建物それぞれの評価を出します。

例えば不動産の評価額が7000万円、建物:土地が6:4であるなら、

土地の評価額=(7,000万円÷0.7)×0.4=4,000万円となります。

 

はるこ
全部の金額の中で、土地が4割で計算されてるから、その分を計算したのね。

 

4.時価(実勢価格)

不動産仲介業者が査定を行うのに大事な要素として、実際の過去の取引の事例を参照にします。

「売れば売れるであろう価格帯の中央値」というのが時価(実勢価格)であり、実際に取引されるものです

公示価格とは大きくはなれた価格になることもあります。

 

あつし
一般の人にも、個人情報がわからないようにして公開されてるよ。

 

 

引用:国土交通省土地情報システム

 

不動産仲介業者は実際の取引データをもち、不動産業者しか使えないシステム「レインズ」を使い実際の取引で成約した不動産の売値を確認できます。

この方法で評価額を知りたい場合は不動産仲介業者を訪ねましょう。

 

はるこ
あっくんてば、計算がいっぱい出てくるっていうから母さんすっごい気合入れてたのに、大したことないじゃない。

 

あつし
あ、いや、計算がいっぱい出てくるのはここからなんだ・・・。

今までは土地の評価だったけど、建物の評価は築年数とともに低くなるから、それを頭において計算をしなくちゃいけないからね。

 

はるこ
が・・・ガンバリ・・・マス・・・・。

 

売却前は適切な売値設定が大事ー建物の評価の出し方

建物は土地と違い築年数により価値が減っていきます。その分建物の評価額も修正をかける必要があります。

評価額(査定額)は家の売却の際に、売値を設定する元となるものです。

ですので、築年数というのはこの後も建物に関する計算で重要なポイントとなります。

 

あつし
じゃ、建物の評価を出す方法を説明するね。

 

建物の査定評価の出し方は以下の3つです。

  1. 原価法
  2. 取引事例法
  3. 収益還元法

 

 

どちらか1つで決めるわけではなく、多角的に物件の評価を行うために全ての方法で評価額を出すことがベターです。

 

【原価法】 

現在、基本的に物件の評価額はこの計算法で出すことが多いです。

金融機関における物件の評価も最初はこの計算法で出されることが多いです。

 

建物単価に面積をかけた額に築年数に応じた減価額を差し引いて現在の建物の評価とします

建物価格=建物単価/㎡×面積[再調達価格] ×(1-築年数/法定耐用年数)[減価修正]

                          

建物単価・・・以下のように定められています。

木造 鉄骨鉄筋コンクリート 鉄筋コンクリート 金属
165,400円 262,200円 192,734円

 

再調達価格は再び同じ家を建築したときの価格です。

なので、実際に同じ家を建てた新築価格から、築年数分の減価修正をした価格が建物の評価額となる計算です

 

たとえば木造住宅の評価で、

延べ床面積100㎡ 築15年 購入価格1,500万円の場合はこうなります。

再調達価格=165,400円×100㎡=1654万円

減価額=1,654万円×(1-15/22)=1,125万円

建物評価額=1500万円ー1,125万円=375万円

 

 

ただしこの計算での評価の問題は、2つあります。

  1. 築年数が法定耐用年数を超えたら評価がマイナスになること。
  2. どの性能であっても、どんな使い方をしても、メンテナンスの有無もすべて無視して、評価を決めること。

 

現在は国を挙げてこの見直しがされているところですが、市場に浸透するまではやはりこの評価方法が主になります。

 

補足

住宅用の建物の法定耐用年数(1998年改訂)

鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)造 47年

重量鉄骨造            47年

鉄筋コンクリート(RC)造      34年

軽量鉄骨造            27年

木造               22年

 

【取引事例比較法】

マンションの売買に最も使われる評価方法です。

マンションの場合も原価法が使えるのですが、やはり売却したいマンションと同じ条件で実際に成約されている売値を参照したほうがいいでしょう。

戸建ても同じことが言えますが、立地や環境によって同じ構造・階数・専有面積でも売却額を設定しやすく、成約率が異なります。

 

1.近隣地域の範囲、同じくらいの築年数、立地、リフォームなどの修繕履歴などをみて、同じ地域のよく似た物件の最近の成約事例を集めます。

2.その中から、売り急ぎ、買い急ぎのような特殊な例を引き抜きます。

具体的には旧耐震基準で破格の安さだったり、逆に破格に高い場合は立地もよく専有面積も広い、明らかに特例の事例ですね。

 

3.ほぼ同じ条件になった事例の1㎡あたりの平均価格を出し、売却したい物件の面積を掛ければ成約時の売値に近い評価が出るということです。

 

土地の評価額算出で出てきた国土交通省土地情報システムを使うと建物についても、取引事例で比較することができます。

ここでも不動産会社しか使えないレインズという情報システムだと詳細に事例を出してくれるます。

この方法での評価額を知りたい時は不動産仲介業者を訪ねた方がいいですね。

 

はるこ
じゃあ、最初からこれだけで決めちゃってもいいんじゃないの?

 

あつし
売却できそうな物件で、急いで売りたいならそれもありかもね。

でも、例えば築古の家だとこれだけで決めるのは難しいね。成約率がぐっと下がるから事例が少ないんだ。

 

 

【収益還元法】

特に賃貸用不動産、賃貸以外の事業用不動産の場合に使われます。

収益還元法はこの物件が将来発生すると思われる純利益と現在価値を合わせて、建物を評価する方法です。

いままでの2つと違い、未来に向けての収益性の視点から現在の価値を出します。

売却費や家賃などの利益はあくまで将来的なものです。

ですので、不動産投資をする今の時点での評価額として割り引いて考えます。

 

買い手にとっても売り手にとっても、正しい指標になる評価額を出すことができます。

収益を重視しない住居の評価としては向いていませんが、住宅を賃貸として売却する場合には非常に有効な方法です。

 

 

収益還元法の考え方

投資物件の価値を決めるのは「時間」と「投資物件の信頼性」です

  • 時間が経過するほど価値は下がる
  • 確実性が低い投資案件ほど価値は下がる 

 

賃貸のような収益を出す物件の売買の場合、リスクと不確実性を加味して物件評価額を出す必要があります

純利益減少リスクの中でも「リスク」は予想できるもの、「不確実性」は予想できないものと分けられます。

 

あつし
計算方法には2つあるんだ。ややこしいけど説明していくね。

 

  • 直接還元法・・・・不動産の収益価格=1年間の純利益(総収入-諸経費)÷還元利回り(物件の適正利回り)
  • DCF法・・・・・・物件評価額=将来得られる利益(家賃など)の割引現在価値+売却価格

 

 

 

1.直接還元法

比較的簡単な計算方法で物件価値を出すことができます。

将来の1年間の総収入から、管理会社への委託料金など総費用を引いて還元利回りで割って、不動産収益費を出します。

不動産収益費は投資判断の基準になるものとなります。

 

はるこ
あっくん・・・還元利回りって・・・何・・・?

 

還元利回りとは、通常得られる利回りに、不動産の状況や安定性を考えて修正をかけた利回りのことです。

 

  1. 空室があるか、規模・築年数、どんな人が住んでいるのか、管理状態などの状態
  2. オフィスの賃貸なのか、飲食テナントの入る雑居ビルかの業種の違い

 

例えば同じ道路に面した隣同士のビルが両方1000万円の収益をあげているとしますね。

しかし隣同士のビルが飲食テナントなのか、企業オフィスなのか、空室があるのかなどの状況で信頼性が違ってきます。

 

あつし
だから、将来期待できる収益にこの「実情のリスクに応じた補正」にあたるのが還元利回だね。

将来的なリスクを織り込んで自分で決められるんだよ。

 

還元利回りは株式会社二十一鑑定などの不動産鑑定会社や、不動産会社の賃貸経営サイトで、物件のエリアごとに記載しているのでそれを使うのもいいですね。

 

還元利回りを決定した後の実際の計算はこうなります。

 

例えば賃貸などの投資物件での年間純利益が100万円として、還元利回りが10%とします。

不動産の収益価格=1年間の純利益100万円(総収入-諸経費)÷還元利回り10%(物件の適正利回り)1000万円

  • 物件の却価格が900万円であれば利益が出るので買う
  • 物件の売却価格が1100万円であれば利益が出ないので買えない

 

売却の場合にも、この収益費で判断して売値を付けることで売れるか売れないかということに影響しますので、還元利回りの設定は大切です。

 

 

2.DCF法

より複雑な計算ですが、ち密で合理的な不動産評価額を出すことができます

 

あつし
計算は複雑になってくるからここではあまり説明はしないでおくね。母さん目が回りそうだから。

 

物件評価額の計算を少しだけ詳しく説明すると、

物件評価額=将来の5年目までのキャッシュフロー+6年目以降のキャッシュフロー+売却価格

となります。

 

DCF法では将来5年間の純利益に割引率で補正をかけ、6年目以降の純利益には永久成長率で補正をかけ、各年のキャッシュフローを算出します

 

直接還元法は、還元利回りに純利益の減少リスクを含んで補正をかけます。

しかしDCF法は1年ごとの純利益を出している段階でリスクがすでに織り込まれています。

割引率による補正はリスクではなく不確実性に対するもので、そこからキャッシュフローが算出されています。

 

あつし
還元利回りと割引率の違いはキャッシュフローを1年で割り引くか、5年で割り引くかというところ。

本質的にリスクや不確実性をどこから割り引くかというところが違うけど、今回は説明はやめておくね。

 

 

 

補足

キャッシュフローは利益に対して費用を引いたお金の流れです。

これが+になるとお金が増え、-になると 持ち出しということになります。

 

 

 

あつし
1億人の投資術などのサイトでDCF法のシミュレーションができるから、やってみてだいたいどのくらいの評価になるかしっておいてもいいね。

 

はるこ
あっくん・・・シミュレーションも母さん無理よ・・・。

 

あつし
うん、難しいよね。それならもう収益還元法に関しては計算しない手もあるよ。

それでも正確に評価額を出したいなら、日本不動産鑑定士協会 のようなところで不動産鑑定士に依頼するのも1つの手段だよね。

 

はるこ
同じ土地と建物なのに、評価の仕方が全然違うのねぇ・・・。

 

あつし
不動産会社の強みが住居用物件なのか、アパートみたいな収益物件なのか、地元の情報なのかによってとる評価方法が違ってくるんだよね。

不動産会社を選ぶときは、なんか近くにあるからって選んじゃだめだよ。

 

家の売却の時に築年数は譲渡税の計算に必要!

 

あつし
さあて、ここからもっといっぱい計算出てくるから、説明していくね!頑張って、母さん!

 

はるこ
・・・・なんでそんな嬉しそうなの・・・・?

 

持っている不動産や株式などを売却した利益に対してかかるのが所得税・住民税です。

これらを総称して譲渡所得税と言います

この課税は通常の所得税や住民税とは切り離して課税されますが、売却費そのものに課税されるわけではありません

不動産の購入代金の他に購入するのに必要になる費用があります。また、売却する時にかかる費用もあります。

これらの費用を差し引き、建物の築年数による減価償却で補正をかけて課税金額を決めていきます。

 

税率は

  • 住居期間が5年以上の場合・・・長期譲渡所得税 所得税 15% 住民税 5% 復興特別所得税(H25~R19年) 2.1%
  • 住居期間が5年以下の場合・・・短期譲渡所得税 所得税 30% 住民税 10% 復興特別所得税(H25~R19年) 2.1%

 

長期譲渡所得税のほうが税率が低いのは、長く住んでいるほうが住宅として購入したとみなされ、優遇されるからです。

 

あつし
売却費から『取得費』『譲渡費用』を大きく差し引けるとしたら税金対象になる金額が減るから、手元に残るお金が多くなっておトクになるよね。

 

はるこ
節税対策ってわけね!たとえばどんなものが差し引けるの?

 

あつし
詳しくは後で説明するけど、実はリフォームやリノベーション費用も取得費か譲渡費用に含めることができる場合もあるんだ。

住んでいるときに古い家にスケルトンリフォームをしたりすると、売却時には節税できるのと同時に住宅性能が上がって評価額もあがる可能性があるよね。

 

はるこ
じゃあ、古い物件でも売れて、節税できるの!?すごいわね!

 

あつし
そうなるよね。じゃあ、具体的な計算方法を説明するね。

 

課税譲渡所得額の算出
  1. 課税譲渡税額=売却費ー(取得費+譲渡費用)-特例費用→『取得費』の計算が必要。
  2. 取得費=購入費ー減価償却費→減価償却費』の計算が必要
  3. 減価償却費=購入代金総額×0.9×償却率×築年数→『償却率』を調べるには?

 

『償却率』から順に説明していきます。

 

1.償却率

減価償却は築年数によってその割合が違ってきます。その割合を償却率と言います。

事業用の建物と非事業用の建物では償却率が異なります。

非事業用(マイホームやセカンドハウス)の償却率は定額法となっており、以下の通りです。

引用:国税庁

 

 

補足

償却率は事業用での不動産を売買した場合には耐用年数から導き出します。

ですので、まずは償却率の前に耐用年数を計算することになります。

耐用年数

  1. 購入金額×0.2(法定耐用年数を超えているとき)
  2. (法定耐用年数ー築年数)+築年数×0.2

減価償却資産の償却率表で、耐用年数のところをみると定額法の償却率がわかります。

 

2.減価償却費 償却率を使い減価償却費を出す

建物購入費に築年数に応じた償却率をかけることで建物価値が補正される金額を出します。

購入時より価値が減っているので購入金額より差し引かれる金額です。

  • 減価償却費=建物購入費(取得費)×0.9×償却率×築年数(築年数が法定耐用年数内の場合)
  • 減価償却費=建物購入費(取得費)×5%(築年数が法定耐用年数を超えている場合)

 

減価償却費には「定額法」「定率法」がありますが、住居の場合は「定額法」です

定額法は建物の購入費用を、一定の額で築年数分減価償却していきます。

つまり、減価償却費というのは、売却時点での価償却した総費用です。

(会社は固定資産を定額法・定率法の適した方を選択できます)

 

 

補足

土地・建物の購入費用の内訳が契約書にない場合は、

建物本体取得費=購入金額×(建物の固定資産評価額/建物+土地の固定資産評価額)となります。 

 

3.取得費を計算する

  1. 購入費合計ー減価償却費(購入費がわかっている場合)
  2. 売却費×5% (購入額がわからない場合)

 

取得費は建物・土地の購入金額だけではありません。

住宅を建てたり購入した際にかかる費用が加わることになります。

認められるものであれば、譲渡税の対象となる売却費用から差し引くことができ、納める税金が減ります。

 

【取得費と認められるもの】

売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。
 

  • 土地や建物を購入・贈与・相続・遺贈で取得したときに納めた登録免許税(登記費用も含む)、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税
  • 借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
  • 土地を買う時に支払った土地の測量費
  • 土地の所有権などを確保するために必要になった訴訟費用
  • 建物付の土地を購入して、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用。(購入後約1年以内に建物を取り壊すなどが当てはまる)
  • 土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子
  • 既に締結されている土地などの購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金

 

 

あつし
つまり、土地や建物を買ったり建てたりしたときに必要になった経費は、購入費と合算して『取得費』とすることができるんだ。

 

4.課税譲渡税額を計算する

課税譲渡税額=売却費ー(取得費+譲渡費用)-特例費用

 

あつし
ここでわからないのは売買の時にかかった譲渡費用、それから特例費用だね。ひとつずつ見ていこう。

 

【譲渡費】

譲渡費用とは譲渡のために直接要した費用をいいます。

①土地や建物を売るために支払った仲介手数料など
②登記若しくは登録に要する費用
③印紙税で売主が負担したもの
④貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
⑤土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用、建物の損失額
⑥測量に要した費用
⑦売る契約をした後に、他へ高い価額で売却するために(更に有利な条件で売るため)最初の契約者に支払った違約金
⑧借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など
その他その資産の譲渡価額を増加させるためその資産の維持や管理のためにかかった費用

 

引用:三井不動産リアルティ

 

あつし
基本的に自分の家の売却する時にかかった費用のことだよ。取得費と同じで、認められれば譲渡税から控除されるんだ。

 

【特例費用】

マイホームを売却した際には一定の基準を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円控除できます。

 

控除の条件としては次の通りです。

  • 自分の住居の建物・あるいは建物と敷地の借地権を売ること。
  • 以前に住んでいた家屋・土地の場合は住まなくなって3年経過する年の12月31日までに売ること。
  • 住んでいた家屋・住まなくなった家屋を取り壊して敷地を売る時・・1.取り壊して1年以内に譲渡契約を結ぶ。かつ、住まなくなって3年経過する年の12月31日までに売ること。 2.家屋を取り壊してから譲渡するまでに賃貸駐車場などにしないこと。
  • 売った年の前年、前々年度にこの特例と「マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていないこと。
  • 売った年・前年、前々年にマイホームの買い替えをしたり、「マイホームの交換の特例」の適用を受けていないこと。
  • 売却した家屋・土地に関して他の特例を受けていないこと。
  • 売り手や買い手が親子・夫婦、親族、内縁、特殊な関係の法人などでないこと。
  • この特例を受けた年、翌年、翌々年に違う住宅を増改修して住んだ場合、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」が適用できない

 

 

あつし
もちろん、特例を受けるためだけに入居したり、仮住まいの場合は売却時この特例はつかえないよ。

 

リフォームリノベーションは取得費・譲渡費用になる?

リフォームやリノベーションに関しては目的によって譲渡費用になるのか、取得費用となるかに分かれます。

  1. 売却することを目的にリノベーションをした。→譲渡費用
  2. 住んでいる間に住宅性能を上げるために長期優良住宅などのリノベーションをした。→取得費

 

ただし、いずれも資産価値を上げる改良でなくてはいけません

つまり耐震基準や省エネルギー性を高める、バリアフリーにするなど、住宅としての価値をあげるリノベーションが該当します

維持管理のためのリフォームやリノベーションは取得費・譲渡費用どちらにも当てはまらない可能性が高いです。

 

はるこ
つまり、壁紙とか屋根を直すだけとかキッチンのタイルとかのリフォームは含まれない可能性が高いってことね・・・。

 

あつし
だからこそ、住宅性能をあげるリノベーションは築古物件の流通に効果的なんだよ。普通なら解体にしなくちゃいけない物件も売買が活性化するんだ。

次は具体的な例を見てみよう。

 

 

リフォームしながら住んできた築古マイホームを売却した時の課税譲渡税額

この場合は購入費とリフォーム費用を別に考えて課税譲渡税額を計算します。

  • 建物と土地の購入費
  • リフォーム1回目費用
  • リフォーム2回目費用)

 

たとえば、住宅として使っていたリフォームを何回か行った後に売却をした場合

2001年3月 土地 2,000万円 建物1,000万円(木造平屋建て:住居用)で購入。

  • リフォーム1回目 2006年4月  リフォーム金額300万円
  • リフォーム2回目 2011年11月 リフォーム金額130万円
  • 売却       2019年3月  

 

課税譲渡税額=売却費ー(取得費+譲渡費用)-特例費用

 

あつし
まずは購入時・リフォーム1回目・2回目それぞれの取得費を計算するよ。

 

取得費=購入費ー減価償却費

 

減価償却費

建物・土地の購入費とリフォーム費用に関しての減価償却を別々に行います。

  • 購入費×0・9×耐用年数の償却率×築年数(現在ー購入時)
  • リフォーム費用×0.9×耐用年数の償却率×築年数(現在ーリフォーム時)

※築年数の計算では6か月未満は切り捨て、6か月以上は切り上げにします。

 

1.建物の購入費について減価償却費の計算をします。

築年数:2019年ー2001年=18年 法定耐用年数:22年 耐用年数:(22-18)+18×0.2=7年 償却率:0.031(非事業、木造)

  • 建物取得費:1,000万円×0.9×0.031×18=5,022,000円→1,000万円ー502万2,000円=497万8,000円(1)

 

2.リフォームの費用について減価償却の計算をします。

  • リフォーム1回目

築年数:2019年3月ー2006年4月=12年11か月=13年

リフォーム費:300万円×0.9×0.031×13=108万8,100円→300万円ー108万8,100円=191万1,900円(2)

  • リフォーム2回目

築年数:2019年3月ー2011年11月=7年4か月=7年

リフォーム費:130万円×0.9×0.031×7=25万3,890円→130万ー25万3,890円=104万6,110円(3)

 

取得費=(1)+(2)+(3)+土地3,000万円=37,93万6,010円

ですので、

課税譲渡税額=売却費ー(3793万6,010円+譲渡費用)-特例費用

となります。

 

あとは譲渡費用になるもの、特例費用がわかれば課税譲渡税額が計算できます。

 

はるこ
大きなリノベーションしてるなら古い家でも売れて、節税もできておトクってことはわかったわ!

・・・でも、リノベーションも何もしてない古い家だったらやっぱり売れないのかしら?

 

あつし
そうとも言い切れないんだよ。じゃあ、築古物件をどうすれば売れるのか考えていくね。

 

 

売却の時の税金について説明しています。

持ち家売却!不動産売買で掛かる税金相場をわかりやすく解説

2019年1月15日

売却時の確定申告の計算はこれを参考にしてください。

持ち家を売却した時の確定申告に必要な税金の計算法を徹底調査!

2019年4月25日

 

築年数30年以上の家をどう売る?

 

「仲介」ではなく「買取」をしてもらう

築古物件を売却する時に心配なのは、買い手がつかないことです。

築古物件の場合、建物に資産価値がないので更地にして土地の身を売ることも多くあります。

しかし既存不適合建築物の場合、更地にしたとして現行の建築基準法に不適合として建物を建てられない場合があります。

 

その場合考えられる手段が、不動産会社に直接「買取」をしてもらうことです。

 

買取には2種類あります。

  • 即時買取・・・買い取り額の交渉が終わり次第買い取ってくれる。
  • 買取保証・・・一定期間販促活動を行い買い手を探し、契約が成立しないときは不動産会社が事前の買い取り金額で買い取る。

 

こちらの方法は急いで売却する場合に適しています。

 

あつし
メリットもデメリットもあるから、よく考えようね。

 

買取のメリット
  • なんといっても、すぐに売却ができて現金化しやすい。売却を急ぐ場合に向いている。
  • 築古物件の売主に義務付けられる「瑕疵担保責任」は、一般の契約者に対する責任であるため負わなくてもいい。
  • 仲介手数料がかからない。
  • 販促行動が必要ないので近所の人に知られることなく売却できる。

 

買取のデメリット
  • 市場価格より1~3割安くなる。不動産会社は買い取った物件を商品化するためのリフォーム費や利益分を市場価格から差し引くため。
  • 築浅物件の場合は仲介のほうが不動産会社には利益が高くなるため、条件が不利になる。

 

 

不動産の売買の流れについてはこちらをご覧ください

持ち家を売却しよう!不動産の売買契約の流れとは?

2019年1月29日

 

解体更地渡しにする

現状では建物があるけれど、引き渡しの時には建物を解体して土地のみの売却とするということです。

築古物件で、建物に価値がなく、買い手がリノベーションするにも費用が掛かりすぎる、立地にも特に魅力がない。

 

そういった物件の場合、借地権(所有者以外の第三者が借りている権利)がついてない状態で売り出します。

 

土地の評価には減価償却がありませんから、その評価額での契約として買い手を集めます。

建物の解体費は売主の負担となりますが、前述したように譲渡費用として譲渡税額から控除対象されます。

 

また、建物がリノベーション次第で住めるような状態であったりする場合、建物付きの土地物件として売却できます。

買い主に土地を買ってもらい建物の処分は任せてしまうということです。

この場合解体費は買い手の負担になりますが、その分、売主は土地代を安く抑えることになります。

 

 

補足

契約書に解体更地引き渡しの他に更地引き渡しという表記がされる場合があります。

その場合、買い手との間に次のような解釈の違いが生まれます。

  1. 建物だけを取り壊す
  2. 建物+ブロック塀、樹木などをなくし全くの更地にする

契約時にはどのような状態で引き渡すのか、契約書に具体的に明記しておくとトラブルが防ぐことができます。

 

はるこ
いざという時は仕方ないわよね・・・・。

 

リノベーションして資産価値を上げる

特に買い手が「何もせずにそのまま住める」物件を探している場合は需要があります。

この場合、買い手は自分でリフォームやリノベーションをする手間を嫌います。

売る前にリノベーションを売主がすることで売却期間も短くなります。

 

この方法は最も利益の出やすい売却の仕方です。

 

こちらで費用を抑えてリノベーションをし、内見の際にはきれいな状態になっているほうが成約率も上がります。

リノベーション費用も前述の通り、譲渡費用として譲渡税額から控除されます。

 

何もしないでただ買い手を待つのが確かに最もリスクは低いです。

古民家再生のように自分でリノベーションをして住みたい買い手には需要があるでしょう。

しかし一般的には買い手がリフォームやリノベーションをなるべく抑える方法を知っていることは少ないです。

なんといっても、ただいたずらに売却期間が長引く可能性があり、利益も最低限です。

 

 

あつし
実は2020年4月から民法改正がされるんだ。

売主に過失や故意がなくても不動産に欠陥があって、買い手の改修の要求に売り手が応じないと契約が解除されるリスクがでるんだよ

 

はるこ
えっ?そうなの?買い手が直せばいいんじゃないの?

 

あつし
売り手の意識も問題なんだよね。自分の家がどんな状態か理解しようとしない人も多いんだ。プロでしょ?って言って不動産会社に丸投げのことも多いようだよ。

 

 

【インスペクションの有無告知義務】

物件のインスペクション(建物状況調査)の有無を買い手に対し告知する義務が不動産会社にあります。(2018年4月~)

特に収益物件として考えている買い手の場合、インスペクションを知っている人も多いです。

しかし不動産会社の一部や売り手には馴染みがないものでした。

 

物件を売却する場合には売主側でもインスペクションや耐震診断を実施しましょう。

少なくともその物件がどんな状態なのか把握し、改修をするなら売主がする方が契約解除に至るリスクが生じにくいと考えられます。

 

はるこ
売却しちゃうからってなにも状態も知らないでいると、だめよね。自分でも調べなくちゃ・・・。

 

あつし
売却しやすいリノベーションの基準として適合R住宅・安心R住宅っていうのがあるんだ。

国が既存物件の売買の促進を目的に安全な売却物件として定めているんだよ。

 

 

スケルトンリフォームで耐震性・省エネ性を備え、資産価値をあげましょう。

スケルトンリフォームのデメリット!後悔しないためのポイントは?

2018年12月6日

リフォーム見積もり一括サイトはこちらがおすすめです!

タウンライフリフォームは見積比較に必須!評判&口コミを調査!

2019年2月6日

 

築年数の古い物件の評価を上げて売買の活性化

 

安心R住宅

中古物件の「不安」「汚い」「わからない」というマイナスイメージをはらい、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できるようにするものです。 

新耐震基準であり、インスペクションの結果構造上の不具合、雨漏りがなく住宅瑕疵保険の基準に合っているという意味で「安心」できる住宅であると認められます。

ただし、現行の建築基準法の細かな法令に全て合っているという保証ではありません。

 

あつし
もちろん現行の建築基準法に合わない建築物には適用されないよ。

 

条件としては次のようなものです。

  • 耐震性等の基礎的な品質を備えている
  • リフォームを実施済み又はリフォーム提案が付いている
  • 点検記録等の保管状況について情報提供が行われる

 

このマークの付いた物件を売買する場合には、国の認定した登録団体の事業者として不動産会社が認定されている必要があります

 

適合R住宅

適合R住宅は、社団法人リノベーション協会が推進するものです。

協議会が定める「優良なリノベーション」をされた住宅を指します。

リノベーションの一連の流れを統一した規格とし、戸建て・マンション(全体)・マンション(1住戸)に分けて基準を設定しています。

 

一連の流れ
  • 建物検査 ・・・・・・・・・・重要インフラ13項目の検査
  • 必要な改修工事と報告
  • 住宅履歴情報として記録・・・・平面図・仕上げ表、配管図などの保管の義務付け
  • 万一の際のアフターフォロー・・重要インフラ13項目に関し3年の保証 

 

あつし
適合R住宅だけにとどまらないんだけど、住宅履歴情報はあるといいよね。

家の状態が把握できるから、点検やメンテナンスがしやすくて売却もしやすくなるよ。

 

築年数は家の価値を決める計算の基準!古い家の売却につながる?! まとめ

 

今回は築年数が物件売却の時の建物の評価額・売却利益にかかる譲渡税額の計算にとても重要だとお伝えしました。

築年数は時間の経過とともに下がる建物の価値を決めるものです。

 

一般的に「家は消費するもの」といった概念です。

確かに会計上法定耐用年数を超えてしまうと価値はなく、経済的な担保として成立しません。

 

しかし事情があって家を売ることになった時、

 

かたや何度もリフォーム・リノベーションを重ねて手入れをし、大切に住んできた家。

かたや、その状態も把握されていないような、無造作に住まれてきた家。

 

同じ築年数だったとして、本当に価値は同じでしょうか?

 

そして旧耐震基準で建て替えも難しいような古い家の場合、本当に壊すしか手はないでしょうか?

「もう売却するから」「人の手に渡るから」かまわない?

 

いえ、だからこそ耐震・断熱リフォーム、インフラの改修、そういった根本的なリノベーションをしていくのが必要なのです。

中古物件を汚くも古くもない、古くても丁寧に手入れされた安心で快適な家にすること。

 

その家に住む人が笑顔で幸せに安全に健康に暮らしていけるようにすること。

 

そのためには売り手も買い手も不動産に携わる人も、「家」にどう住むのかいま一度考える機会になればと思います

 

 

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です